「日記の館1号館だより」(第2回)を公開しました

第2回「日記の館 1号館」だより  平成30年8月17日
                            島 利栄子

連日まさに猛暑!「暑い暑い」の 今夏だった。

第2回「日記の館」はそんな夏ど真ん中の8月17日に開館となった。13日に島夫妻は坂北入り。真っ先にしたのがジャガイモ堀り。猛暑の故か大いなる不作で残念だった。こんな年は珍しい。山崎英三さんから立派なイモをたくさん貰った。

14日は家の掃除や買い物に費やしほっとする間もなく、15日午後には田中祐介さんグループが次々と坂北入り。信州大学の学生らも参加した合宿が始まった。

実はこの合宿、田中さんが西川祐子先生寄贈の資料の目録化を集中して進めるため坂北での合宿を計画し実現の運びとなったものである。私も若い研究者たちが坂北に来てくれることは願ってもないことなので、喜んで協力することにした。

15、16日と東北大学助教・河内聡子さん、京都大学研究員の徳山倫子さん、信州大学職員の鈴木映梨香さん、信州大学学生の中畑ひかりさん、大学院生の中村めぐみさんがきてくれハナレでの作業は順調に進んだ。明るい笑い声も聞こえ活気が伝わってきた。ただ仁愛大学助教の柿本真代さんが北陸の集中豪雨で列車が不通になり皆を大いに心配させた。結局は17日の開館当日の到着となった。笑顔の中にも作業に参加できず残念そうな様子がうかがえた。

前日の16日には主人が蕎麦を打ち、若者たちに振る舞った。若い皆さんもお酒や各地に名産品を持参してくれ、食卓は山海の珍味が並び、大賑やかになった。田中さんから秋田の銘酒、河内さんから仙台名物・タンとかまぼこ、鈴木さんから故郷・千葉の魚どっさり。居ながらにして各地の絶品が味わえ、若い方から本音を伺え楽しい幸せな一時だった。

17日は台風の影響があり、暑さがさほどでなく助かった。ただ春の開館時には外でした受付をハナレの中に入れ、受付は河内、柿本、徳山さんの三美女にお願いした。坂北駅へのお迎えが4便ほどあったが、それは中学の同級生・山岸秀敏さんにお願いした。本当にいつもありがとうございます。

最初は野村幸子さんが山のように漬物をもってやってきてくれた。続いて目黒早苗一家が千葉から車で駆けつけてくださった。娘のともこさん一家4人。小さい子供2人が来て、急に賑やかになった。この若い一家には冬には3人目が加わるという。目黒家は家族の団結がすごい、うらやましく、まぶしい限り。次いで松本からの電車で御舩順子、丸山彰、高橋洋子、百瀬光正さんという東京組が到着。ちょっと気を使う?先輩諸氏!!ありがたいけれど、「こんな遠くまでよく来てくださって・・・」と申し訳なさが先に立つ。

長野周りで水津幸一、NHK新人女史の小田翔子、小原和雄さんが到着する。会社時代からお世話になってきた御舩さんには、館長が蕎麦をお出しする。松本から百瀬武さん、そして奈良から関根栄さんご夫妻も車で到着した。信大文理学部の先輩お姉さん3人が到着する。それから村の堤茂子さんがおいでになる。

13時、開館の時が来た。司会は田中さんにお願いする。まず私からは簡単な挨拶。挨拶は「故郷・坂北に『日記の館1号館』を開設出来た。小さな一歩だが今日ここに念願が果たせてこんなうれしいことはない」と前回と同じに簡単なご挨拶。館長・島秀光氏、副館長・隣家の山崎貞子氏の挨拶が続く。短めにしてもらう。後に若手の講話が山積しているからだ。

第一部は「坂北の今昔」。奈良から見えた関根栄さんが、私とのご縁をメモを見ながら適格に話してくださる。同じ別所育ちの野村幸子さんや信大文理学部先輩連中が驚き、久しぶりの再会に大喜びする。

予定していた青木哲夫さんが前日になり風邪で来られないことになり本当に残念だった。

第二部は「面白い日記たち」。先ずは松本の百瀬武さん「私の読書日記」。大変な読書家だと知ってはいたが、自分の読書人生を概観し、読書方法や興味の変遷、松本の読書事情まで浮き彫りにしながら面白くまとめてくださった。現在まで4081冊を読み80歳で4500冊、90歳で5000冊を目指すと結ばれた、ブラボー!!大いに刺激を頂けたスピーチだった。県民手帳に触れた時、とっさに実物を見せてくれた山岸さん。当意即妙、感心した。話をよく聞いている証拠。うれしかったなあ。

つぎは田中祐介さん「日記文化とは何か?そして日記の館の意義」。まずは日記文化とは何か?プロジェクターの映像を見せながら手際よく話を進める。日記の館を①シンボルとして②集いの場として大事なところと位置づけ、これからも「過去に敬意を払い未来を見据え、空間を超える日記の意味を追い求めていきたい」と結んだ。彼の深淵な研究の目標が少し理解できたように感じた。

次が柿本真代さん「夏休みと子供の日記帳」。河内聡子「地域社会における書くこと・読むことの歴史を考える」。徳山倫子さん「近代日本の日記と作文」と続く。一人15分とお願していたが無理な話!30分はかかったか?3人とも一生懸命、早口で頑張ってくれた。さすがだと思ったのは3人とも、この地域に結び付けた話をしていた点。『家の光』や松本女子職業学校などに触れてくれ会場の興味を集めた。

どなたも私の欲張り過ぎでじっくり話せず申し訳なかったが、聞いた方はこれほど面白い話をコンパクトに次々聞けたのだからものすごくお得だったと思う。若い研究者をこんなに身近で鑑賞?できる機会はめったにない。心躍る体験だったのでは。

第三部は「私の趣味」。百瀬光正さんの「江戸城再建にかける」。小原和雄さん「私の健康法」。元気いっぱいの先輩方の話だった。声は大きく、お顔色よく、姿勢も見事なお2人なので説得力十分だった。

ここでアトラクション「創作ダンス・ともこちゃん」。「一本の鉛筆」などほっこりするハワイアンダンス。ご主人や小さな息子ちゃんがうっとりとママを見ている姿。眼に焼き付いたなあ!

いよいよ楽しみなおやつタイム、今日は手作りのコーヒーゼリーと蕎麦とお漬物。ゼリーは目黒さん。蕎麦は島館長。漬物は同級生で漬物名人・野村幸子さんの手作りだ。さすがの味に皆さん美味しそうに食べ、楽しく交流も進んだ。気が付くと早くも4時間も経って5時に近い。御舩、丸山、小田、河内さんら次々とお帰り。遠くからご苦労様でした。河内さんは翌日からベトナムへ調査に出る由。何んと元気な!次回11月4日の予定とお知らせして閉会となった。

6時まで全員で大忙しで片づけ。西条温泉「とくら」からのお迎えのバスに乗る。6時半から懇親会。皆さんよく飲み、話す。要領よくお風呂に入った人も。百瀬、水津さんが西条駅に廻りお別れ。他の面々は家に戻り、またまた祝杯。12時過ぎまで話が弾んだ。柿本さん持参の「お酒」とぶり・フグのお刺身は絶品だった。若い人は一晩中話していたようだ。私は2時に高橋さん眠る2階の部屋へ。5時起床。高橋さんが手伝ってくれた。

田中、柿本、徳山さんは翌朝帰路につく。目黒さん、小原さん、高橋さんは貞子さんの案内で村の見物。夜は焼肉で大騒ぎする。翌日は山崎さんから頂いた野菜や味噌をお土産にして午前10時半、それぞれ帰路に就いた。さようなら、ありがとう。

島夫妻は一日大洗濯、掃除など。午後から中学時代の同級生8名が来て日記展を見ながらお茶。夜はその同級会へ。泊まらず片付けなど精出す。最後まで忙しかった。少しお疲れの館長さん、その奥さんでした。
翌朝9時、山崎さんにお礼に伺い、山の様な荷物を積んで、館長の安全運転で八千代へ。8日ぶりのご帰還であった。

2回の開館を終え、反省や次なる課題も見えて来た。次回も心新たに頑張ろう。