「日記の館1号館だより」(第3回)を公開しました

第3回「日記の館 1号館」だより  平成30年11月4日
島 利栄子

第3回「日記の館」は11月4日に行われた。11日1日に島夫妻は坂北入り。ネギを収穫し、買い物、お掃除などして準備。前夜は日記の会会員高橋洋子さんがみえてお手伝いに入ってくれることに。楽しい前夜祭をして当日を迎えた。

3回目ともなると遠方からのお客さんは少ない。寂しくもあるが、気楽でもある。秋晴れのもと山々の紅葉も盛り、下の道の柿が鈴なりだ。貞子さんの家の軒下には干し柿がきれいに並んでいる。信州が春の新緑と並び最も季節。私の自慢の風景だ。

最初は野村さんが山のように漬物をもってやってきてくれた。続いて米山さん、三島さん、志良堂さん、岡部先生お嬢さん。千葉から中野さんも到着。坂北駅までは山岸さんが何度も往復してお迎えに行ってくれる。大助かり。車で吉澤さんが松本からかつけてた。信大の後輩・上山和雄先生(前・国学院大学教授)も車で見えた。台所で簡単な昼食(おにぎり、みそ汁、煮物など)を用意。皆さん台所に集まって食べたり話したり。気楽なこんな交流が一番楽しいのかもしれない。映像を使うという吉澤さん、米山さんがハナレで下準備に入る。吉澤さんのプロジェクターが思うように映らない。映像がぼんやりしてしまう。私もいろいろ手伝うがどうもうまくいかない。「パソコンの画面を皆さんに向けてみて頂こう」と吉澤さんの機転で何とか・・・。小さな会場なので何とかなった。

時間ぎりぎりに坂北組が着く。講師の鬼熊さん、細田さん。それに貞子さんが声掛けをしてくれた近所の鎌田さん、島田さん。出光スタンドの久保村さんが菊池さんという友人も連れて来てくれた。地元の方が少しでも気楽に来てくださるようになればこんなうれしいことはない。そこに突然テレビ局という二人の男性がみえた。えっ!! SBCテレビ局の方らしい。そうか、Sさんの御兄弟がSBC放送でお偉い人になっていると聞いたことを思い出した。「上から紹介された」と年配のディレクターらしき方が話される。

13時、開館の時が来た。司会は今回は私。挨拶は「故郷・坂北に『日記の館1号館』を開設出来た。小さな一歩だが今日ここに念願が果たせてこんなうれしいことはない」と前回と同じ内容。館長・島秀光氏、副館長・隣家の山崎貞子氏の挨拶も短くなれたもの。

第一部は「坂北の今昔」。最初が細田寸海子さん94歳。「戦時下の私」と題して村で生まれ育った戦時下の体験を紙を見ながら丁寧に話す。がしばらくすると紙を離れて自由に話し始めた。大陸の花嫁候補生として満州に行った話になると話術に引き込まれて身を乗り出す人も。ついで鬼熊一恵さんの「坂北村の災害」。史実を調べて膨大な資料を作ってくださった。大変興味深い内容だ。二人とも時間が足りず申し訳なかった。引き続き次回にもやって頂こうと思う。

第二部は「面白い日記たち」。最初は三島利徳さん「私の日記」。新聞記者さん時代の手帳の記述から紙面のコラムの記事へ展開させ方を実例を示しながら話されて大変面白かった。二番目は東京から駆けつけてくれた志良堂正史さん。「手帳類図書館」館長という珍しい活動を私が最近の雑誌の記事を見せながら簡単に紹介し、彼にも一言話してもらった。忙しい中駆けつけてくれた彼の好奇心と誠意に感謝して今後の協力関係を築いていきたいと思った。三番目は松本の吉澤国男さんの「紅葉・黄葉のメカニズム」。映像を見せながら様々なメカニズムを話して下さる。この季節、時宜にかなった話だった。最後は米山廸夫さん「善光寺街道を歩く」。映像には私の知らない街道筋の村々が出て来て面白く拝見した。

SBCの方もあちこちから撮影をしたり、お話を聞いたり良く動き回って取材してくれる。細田さんは高齢でもあり日記も展示してあるので熱心に取材していた。

私の欲張り過ぎでどなたもじっくり話せず申し訳なかったが、聞いた方はこれほど面白い話をコンパクトに次々聞けたのだからものすごくお得だったと思う。

いよいよ楽しみなおやつタイム、今日も同級生で漬物名人・野村幸子さんのお漬物。蕎麦は島館長。さすがの味に皆さん美味しそうに食べ、楽しく交流も進んだ。千葉からの落花生パイも一つずつ並べたが、食べる余裕はなくお土産になったようだ。気が付くと早くも4時間も経って5時に近い。地元のお土産は特産はざかけ米で作った名物おかき、りんご。何時も山崎さんが友人から仕入れおいてくれる。

片づけは皆で一斉にして、5時半の西条温泉「とくら」からのお迎えのバスに乗る。6時から懇親会。皆さんよく飲み、話す。山崎館長さんが駆けつけてくれ大盛り上がり。何しろ神主姿だもの! 中野、高橋、米山、上山さんは宿泊。話が弾んだようだ。翌朝は中野・高橋組が家に来ておしゃべり。お土産を整理して送る用意をする。高橋さんは持って帰るという。お気の毒だった。主人の提案で松本まで車で送ってあげることに。大変忙しい中でかなり無理をしてきてくださった中野さんに松本市内を案内できて本当に良かった。楽しいおしゃべりも出来た。2時ごろお別れ。私達は坂北に戻る。本当にご苦労様でした。